買取を申し込むうえでは、「売りたい着物が査定対象かどうか」という点が気になりますよね。
そこで、この記事では、以下の3つ項目に分けて、着物買取の査定対象について解説します。
- 査定可能なもの
- 買取店によっては査定可能なもの
- 査定不可になりやすいもの
1つずつ見ていきましょう。
査定可能なもの
着物買取で査定可能なものは、以下のようなものがあります。
- 着物
- 帯
- 和装小物
査定可能な着物について詳しく
買取店で査定可能な着物には、主に以下のようなものがあります。
- 色留袖(いろとめそで)
- 振袖
- 訪問着・付け下げ
- 紬(つむぎ)
- 小紋(こもん)
- 友禅(ゆうぜん)
- 色無地
- アンティーク着物
- 男性着物
以下、それぞれの特徴について解説します。
色留袖
留袖(とめそで)は、すべての着物のなかで最も格式の高い着物です。
上半身部分に柄が入っていない点が特徴的です。
留袖は、黒色の「黒留袖」と、黒以外の色である「色留袖」に分かれます。
これらのうち、より買取需要が高いのが色留袖です。
色留袖は、未婚女性・既婚女性ともに着ることができます。紋の数は「1つ」「3つ」「5つ」があり、紋の数が多い色留袖ほど、格式が高くなります。
振袖
振袖は、未婚の女性が礼装の際に身につける、袖丈の長い着物です。
現代では、成人式を迎えた女性が振袖を着るのが一般的になっています。
訪問着・付け下げ
訪問着とは、留袖の次に格式が高い着物です。
留袖が正式な席のみで着用されるのに対して、訪問着は正式な場だけでなく、カジュアルなお茶会などでも使うことができます。
また、留袖は裾に模様が入っていますが、訪問着では胸・肩・袖・裾に模様がついています。
付け下げも、胸・肩・袖・裾に模様がついている着物のことです。
「プロであっても、訪問着と付け下げの違いを説明するのは難しい」とされています。ただし、一般的に付け下げは訪問着よりも落ち着いたデザインで、格式が低く、販売額も安いです。
紬(つむぎ)
紬とは、紬糸を先に染めてから生地を織って完成する着物です。また、縦と横の糸を交互に織る、「平織り」で作られている点が、紬の特徴です。
紬は、有名産地のものであるかどうかで、査定額が大きく変わります。
特に、大島紬・結城(ゆうき)紬・牛首(うしくび)紬は「三代紬」といわれています。他にも、以下のような紬は有名産地のものであるため、査定額も高くなります。
- 小千谷(おぢや)紬
- 長井(ながい)紬
- 伊那(いな)紬
- 天蚕(てんさん)紬
- 群上(ぐじょう)紬
- 大石(おおいし)紬
小紋(こもん)
模様が繰り返し染められている着物が「小紋」です。コンサートや観劇など、華やかな場面で着用されます。
なお、小紋のなかでも、模様がとても小さく、一色に染められているものは「江戸小紋」と呼ばれます。
友禅
友禅とは、「友禅染め」の略称です。
鮮やかな色合いで、自然や動物の模様が染められている点が特徴的です。
友禅は、伝統籐工芸品となっており、なかでも以下の3つの友禅は、日本三大友禅といわれています。
- 京友禅
- 加賀友禅
- 東京友禅
色無地
色無地は、柄の入っていない無地の着物のことです。
紋が入っている場合、紋の数によって格式が高くなります。
アンティーク着物
アンティーク着物とは、かなり古い着物のことです。
定義は買取店によって様々ですが、明治時代〜昭和時代までの着物を指すことが多いです。
状態の良いアンティーク着物は需要が高いため、高額査定が期待できます。
男性着物
男性着物とは、男性用の着物のことです。
着物も、多くの買取店で査定可能となっています。
査定可能な帯について詳しく
着物の帯には、大きく分けて3つの種類があります。袋帯・名古屋帯・半幅帯です。
帯の種類 | 合わせる着物 | 平均的な長さ | 平均的な幅 |
---|---|---|---|
袋帯 | 留袖・訪問着・振袖 | 約4m30cm | 約31cm |
名古屋帯 | 小紋や紬 | 約3m60cm | 約30cm |
半幅帯 | 浴衣などの簡易的な着物 | 約3~4m | 約17cm |
①袋帯→②名古屋帯→③半幅帯の順に格式が高いです。
査定可能な和装小物について詳しく
和装小物には、具体的に以下のようなものが該当します。
- 簪(かんざし)
- バッグ
- 扇子(せんす)
- 草履(ぞうり)
- 帯締め(おびじめ)
- 帯留め(おびどめ)
ただし、これらの小物は、値段がつかないか、買い取られたとしても1000円ほどとなることが多いです。
買取店によっては査定可能なもの
下記の品目は、買取店によっては査定可能となっているものです。
- 反物(たんもの)
- 浴衣(ゆかた)
- 着物・和装品以外の品目
(貴金属、ジュエリー、ブランド品など)
これらは、査定可能としている買取店と、買取不可としている買取店に分かれます。
反物
反物とは、着物を仕立てる前の、布だけの状態のことです。
反物が買取対象であるかどうかは、買取店の方針によって異なります。
浴衣
浴衣とは、素肌の上に直接着る普段着のことです。
現代では、夏祭りなどのイベントで着られることが多いです。
浴衣は、買取店によっては査定可能となっていますが、「値段がつかない」または「査定不可」としている買取店もあります。
着物買取では、絹製であることが買取の基準となっていますが、浴衣は木綿や化学繊維からできているものが多いため、買取対象になりづらいのです。
着物・和装品以外の品目
買取店は、以下の2種類に分けることができます。
- 着物専門の買取店
(着物・和装品のみを買い取る) - 総合買取店
(着物だけでなく貴金属や骨董品なども買い取る)
そのため、総合買取店を利用する場合は、着物だけでなく、宝石や時計、ブランド品、骨董品など、様々な品目を幅広く買い取っています。
査定不可になりやすいもの
下記のものは、「査定不可」または「査定額0円」になる可能性が高いのです。
- ウール・化学繊維の着物
- 汚れや傷みが激しい着物
- 黒留袖などの喪服
- 家紋入りの着物
以下、1つずつ解説します。
ウール・化学繊維の着物
ウール製や化学繊維の着物は大量生産されており、希少性が低いため、値段がつきづらいとされています。
「英(はなぶさ)」など、化学繊維でも有名ブランドの着物であれば買取が可能になりやすいものの、基本的には、絹の着物でなければ値段がつかないと考えましょう。
汚れや傷みが激しい着物
買い取られた着物は、基本的に、そのままの状態で再販されます。つまり、「問題なく再販できる程度に、綺麗な状態か」という点が査定のポイントになります。
未使用品でなくても、また、多少の汚れ・損傷があっても、気軽に査定を依頼できる買取店は多く存在します。しかし、あまりにも状態が悪いものは、値段がつかない可能性が高いのです。
このため、「一般的に買取相場が高いとされている着物であっても、その生地の汚れや傷みが深刻な場合は、査定額がまったくつかない可能性がある」ということです。
黒留袖などの喪服
黒留袖をはじめとした喪服は、買取需要が比較的低いため、査定対象外となりやすいです。
家紋入りの着物
家紋がついている着物は、どれほどきれいな状態であっても、買取不可となりやすいです。再販がしづらく、買取の需要が低いからです。
直接肌に触れるもので、中古のもの
長襦袢や足袋(たび)など、肌に直接触れる和装品は、「買取不可」または、「未使用品に限る」としている買取店が多いです。
まとめ
以上、この記事では、着物買取で査定可能なものと、買取不可となりやすいものについて解説しました。
最後に、一覧表でおさらいしましょう。
種類 | |
---|---|
◯ 査定可能 |
● 色留袖 ● 振袖 ● 訪問着・付け下げ ● 紬 ● 小紋 ● 友禅 ● 色無地 ● アンティーク着物 ● 男性着物 ● 和装小物 |
△ 買取店によっては 査定可能 |
● 反物 ● 浴衣 ● 着物・和装品以外の品目 |
× 買取不可 | ● ウール・化学繊維の着物 ● 汚れや傷みが激しい着物 ● 黒留袖などの喪服 ● 家紋入りの着物 |
ただし、自分で「買い取ってもらえないかも」と思ったものでも、実際に査定を受けてみると、意外にも値段がつくということもあります。
そのために、あきらめずに査定を受けてみることも大切です。
また、「売りたい着物の種類や材質がわからない」という場合も、まずは査定に出して、査定のプロに判断してもらいましょう。
着物買取店選びに迷ったら、本サイト認定の優良出張買取店をおすすめします。
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